南オーストラリア住宅購入手順(物件探し編)
なんだかんだで家を探したりしてるのですが、忘れないようにというか、これから来られる人のために記録を残しておきます。
不動産動向や、不動産の購入手順などについては州ごとに法律が違ったりするので、南オーストラリアの場合という事で情報を書いておきます。 南オーストラリアで家を買う手順は大体こんな感じ。 1. 物件探し 土曜日のThe Advertiserの新聞広告などもありますが、最近ではもうインターネットが主流なので、www.realestate.com.auだけ見ていれば問題は無いでしょう。新聞は全てのエリアが載っているので、ターゲットにするエリアが決まってない時にどのあたりがどのくらいか?というようなのを知るために買ってみるのもいいでしょう。似たような地区の値段を比較したりしながら自分の予算かターゲットにする地区を絞り込んでいきましょう。 2. オープンインスペクション 新聞やインターネットに見学の日時が載るので、実際に見に行きます。SAで家を買う時にもっとも気にしないといけないのは、Salt damp(塩害)とTermite(シロアリ)です。Salt dampとは土壌の塩分を含んだ水がレンガにしみこみ結晶化して、壁の下の方からどんどん割れて崩れてしまう現象で、アデレードでは頻繁に起こります。新しい家ではコンクリートとレンガの間や、コンクリートのした(この場合は見えない)にビニールのシートを敷いてあるので問題はありませんが、70年代以前の建物の場合はかなり注意してみる必要があります。レンガの一段目が白く塩を吹いていたり、表面が剥がれていたりする場合は間違いなくsalt dampです。シロアリは言うまでも無いですが、SAでは普通にいるので注意です。それからアデレードは地盤の軟弱な所が多く、基礎やレンガ壁の割れなどは日常的に起こります。あまりに酷いと修理に数百万円かかるようなケースもあるので避けたほうが無難でしょう。それからアデレードでももっとも最悪な土壌であるBay of Biscay Soilという柔らかな粘土質の地域が北東部に広がっているので気をつけたほうがいいでしょう。新しい家はそれを見込んで基礎を深くしたり、そもそも家自体が軽いので問題にならない事もありますが、古い二重レンガの家だと基礎が沈んであちこちバキバキに割れて悲惨な事になるそうです。自分は事前に大学の土木学科でアデレードの地質地図を貰ってきて参考にしました。 その他そのストリートや周辺の雰囲気(前庭が草伸び放題とか、壊れた車が何台も止まっているとか)についても気をつけたほうがいいでしょう。ほかには借家が多いとラフになったりする事が往々にしてありますし、近隣で大音響で音楽を鳴らすとか、放置されて吠えまくる犬がいるとかそういったことも気をつけたほうがいいでしょう。 本命の物件であれば家だけではなく、どれぐらいの人が興味を持って見に来ているのかを知るために、しばらく車の中から観察するのも手です。その状況をみてオファーする値段の戦略をたてると良いでしょう。 3. オファー(Expression of Interest) 厳密には法的な"Offer"とは事なりますが、一般用語としてオファーと呼ばれる事がおおいです。南オーストラリアではその家が気に入って購入する気があれば気楽に「これぐらいで買いたい」というオファーを出すのが通常の手順です。オファーは大体見学日の翌週の火曜日ぐらいまでに不動産担当者にFAXやE-mailなどで送る事になります。出す気があれば見学時に用紙を貰っておくといいでしょう。だいたい火曜日の夕方一杯で〆てその日の夜か水曜ぐらいに売主と相談し、売主が通常一番高いオファーをした人をえらび、契約する権利(法的ではない)を得ることになります。もしオファーが無いか、売主が全てのオファーを蹴った場合は通常再度見学会を行うのでその木曜ぐらいにインターネットのサイトに週末のインスペクションの予定が載る事が多いです。尚このExpression of Interestにはサインをしますが法的根拠は全くなく、もし自分の申し出が通っても買う義務はなく「やっぱりやめた」でもかまいません。その場合は2番目の人が交渉の席につきます。通常Expression of Interestには、氏名住所、購入希望金額のほか契約条件を記入する事が出来ます。通常書くのは、「ローン申請が通ったら(Subject to Finance)」「今の持ち家が何ドル以上で売れたら」「建築検査の結果問題がなければ(Subject to satisfactory building inspection」などです。チェック欄があれば素直に書けばいいですが、なければその時点でわざわざ書く必要は無いでしょう。(条件が多いと同じ金額の時に蹴られる)。オファーが通り本契約をするにあたって、それらの条件をすでに売主が承知の上なので、契約もスムーズに行くはずです。他にはローンの事前審査に通っているとか、大きな額の貯金がありローン金額がすくなるなるなど自分に有利な場合は書いてもいいでしょう。オファーの金額については、必ずしも表示金額の範囲内で出す必要はありません。市場が冷え込んでいれば言い値以下でオファーを出しても通る事が多いですし、長い間市場に残っていてなかなか売れないような物件だと、低い値段でオファーが通る事もしばしばあります。ただ自分が「これはいい!」と思うような物件は他人もそう思うわけで、その辺は難しい駆け引きとなります。 購入編に続く?
by trancoso
| 2009-02-18 20:08
| 家探し、購入、リフォーム
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Comments(6)
私も1年半前に家を購入したので、興味深く読ませてもらいました。
アデレードでは、オファーの時の法的な拘束があまりないのですね。 メルボルンはオファー=契約書へのサイン(=法的な拘束)ですので、 オファー1つも非常に気を使いました。 Subject to finance とSubject to building inspectionも必ずいれましたし。 こうやって、記録に残っていると、あとにアデレードにやってくる方にも とてもよい資料になりますよね。 購入される地域、値段によるかもしれませんが、 ちょうど不況で、以前よりも買い手が少ない可能性もありますし、 よい家が手ごろな値段でみつかるといいですね! 家探し、購入は大変ですが、頑張ってくださいね!
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trancoso at 2009-02-19 07:42
カトリーヌさん
そうそう、Victoriaの友人に¥家の事をたずねて親切にいろいろ教えてくれたのですが、オファーの重みがSAとはぜんぜん違うようです。おそらくそちらは住宅事情がより逼迫していて売り手市場なのではないかと思います。 ビザと違って、細かな法令を熟知してるわけではないので、ちょっといい加減な記述もありますが、何かの参考になればと思っています。。
こんにちは、とても興味深く拝読させていただきました。
契約社会なので凄くシビアなのかと思っていましたが条件付けなどが出来るのであれば少し安心です。 私達が家を実際に購入できるのは渡豪後しばらく経ってからと思っていますが、 チラッとオーストラリアでは投資目的も兼ねて借家よりも購入してしまう場合の方が多いと聞きました。私達の貯金にもよるとおもいますが私達もなるべく早い時期での購入を考えていきたいと思っています。 土壌なども考えないといけないんですね、とても参考になりました。 ご希望に合うようjな良い家との出会いが有るといいですねッ
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trancoso at 2009-02-19 14:32
サチさん
誰が買うかが決まるまでは法的縛りはありませんので気楽です。ただ一旦売買契約にサインしてしまえばやはりそこは契約社会で、条件などが無ければ、売主は一方的に売買手続を進める事ができ、契約を不履行にした場合は、デポジットの没収だけではなく場合によっては裁判で賠償金を請求されることにもなるようです。 家はそうですね。特に移民にはMustかなと思います。一昔前は家を買って一人前だとか。ただ物価や給与の上昇の何倍ものスピードで高騰したので、若い人は親の援助無しに家を買うのは難しくなってきていますし、パラサイトシングルも増えてきています。景気が悪くなってきたのでこれから数年は家の値段は大きく上がらないと思いますので、おいおい調べていかれるといいと思います。 まだまだ先だと思いますが、もしアデレードに残られるのであれば、土壌地図は差し上げますし、職場のボスのおかげでいろいろ人脈も出来たので住宅購入の際は必要であればいろいろ紹介できると思います。
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Chellie
at 2009-02-19 15:54
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こんにちは。なるほど・・と思いつつ読ませていただきました。
あと、上のコメントの「家は移民にはMust」という言葉にちょっとドキッとしてしまいました。やっぱりそうですよね。何も資産を持たない移民なわけですし。それに、オーストラリアの賃貸料は決して安くないですしね。でも、見極めがなかなか難しそう。。 ちなみに、購入してから自分で改修する、とか、そちらでは普通なんでしょうか?賃貸の場合でも、自分で修理が必要だったりするんでしょうか(すみません、何も知りません)。 でも、確かSAは”First Home Buyer”でしたっけ・・?州政府が多少援助してくれる?と聞きました。こういうのはいい制度ですよね。
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trancoso at 2009-02-19 18:20
Chellieさん
オーストラリアは昔の安い時に家を買った普通の一般人が家を何軒も持っていて、人に貸してお金儲けをするのが普通になっています。最近では相続税がないのでお金の余ってる親が子供に援助する事も増えてます。なので政府も票を得るためには家を持ってない層よりも家を持ってる層に有利な政策をしないといけないので、借家に住む限り一生搾取され続けるのだとと自分は感じてします。不景気で当面は家の価格上昇は落ち着くと思いますが、賃貸だと毎年の家賃値上げも普通ですし、不動産バブルを押さえるために金利を上げて投資を抑制しようとしても、お金を持っている人は上がった金利の分だけ家賃を上げたりという非常に不愉快な事がまかり通っています。 くたびれた家を買って、ごっそりリフォームというのは普通ですね。お金がなければ労力使えという感じで、多くの人がやってます。賃貸の場合は補修は大家の責任ですので借主がやる必要はありません。First Home Buyer Grantは、今は特別期間で永住権があれば17,000ドルもらえます。ただし10,000以上は家購入の印紙税で消えてしまいますが。
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by trancoso
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